朝だ。
気づくとみんな起きており俺の布団だけが残されている。
やばい!人んちなのに自分が最後に起きるっつぅのはいかにもみっともない。
俺は焦って自分の布団をたたみはじめる。
「ゆっくりしてていいのに」
と先生。
「す、すみません」
と言ってなぜだかわからんが謝る俺だった。
「おはよう、今日はいい天気だよ」
と言って旦那が俺に挨拶してきた。
「お、おはようございます!」
いけね、挨拶もまだだったじゃん俺、最悪だなと思いつつ促されるように外を見た。
「ほんとだ」
思わず言う俺。
台風一過とはよく言うが豪雨一過ってのもあるのかな?外は抜けるような青空だった。
「トースト焼けたわよ、食べるでしょ?」
と先生。
「あ、はい、すいません」
と言ってまたしても謝る俺だった。
俺は布団をたたみ終えるとテーブルについた。
正直食べる気しなかったよ。
やっぱり人んちっていうのはバツが悪すぎるっつぅか居心地悪いし。
が、まさか要らないですとも言えないだろう?
俺は喉の通りが悪いトーストをコーヒーで無理やり流し込んでいったわけ。
「あ!いただきます!」
食い始めてから慌てて言う俺。
「ぷっ」
と旦那がふきだしている。
かっちょわりぃなぁ俺。
ますます喉の通りが悪くなってきた・・。その時だ。
先生がガキに
「お兄ちゃんにおはようございますは?」
と挨拶を促した。
そんなんいいのに・・・と思いつつ人生の先輩として挨拶しないわけにもいかず先んじて
「おはよう」
と必死の笑顔を作って挨拶した。
思春期にガキ相手するのは難しいよ、今は平気だけどね。
するとガキが
「いやだ」
と首を横に振ったの。
「何でぇ?ちゃんと挨拶しなさい」
と先生ガキを少し怒った。
「いいっすよ」
内心可愛くないなと思いつつ先生に言う俺。
が、
「やだ!この人ママをいじめるからやだ!」
とガキが言った瞬間空気が凍り付いたのは言うまでもない。
い~や~!ただでさえ喉を通り難かったトーストが胃の中で逆流しそうになんの。
どうやってこの修羅場を潜り抜けたらいい?
経験値のない俺はただただ硬直するしか手がなかった。
もうねただひたすらチンポの馬鹿!と心の中で叫び続けてた。
「ママを苛めるって?誰がぁ?」
と、先生。
先生だって内心相当やばいと思ってたんだろうにその辺は俺との経験値の違いだな、極めて平静を装ってたよ。
まじ大人ってすごいと思った。
「こ、この人、昨日ママの上に乗って・・・」
と言いかけるガキ!
まてまてまてっ!何を言う気だえー!?ゲロ吐きたくなってきたよ、うぅ。
お母さん助けて!って既にお袋にもタメ口な俺なのにこういう時だけはやっぱり俺もガキだったんだな、真っ先に浮かんだのがお袋だった。
しかしこの状況お袋にだってどうしたって言い訳つかない訳だが・・・。


